ポルトガル語にはもう一つ、"você(s)"という人称代名詞があります。
とても便利な人称代名詞 "você"
人称代名詞"você(s)"は二人称「あなた(たち)」という意味ですが動詞上の扱いは三人称と同じです。
そしてこの"você(s)"はとっても便利な人称代名詞なのです。 *発音:você(ヴォセ)、(複)vocês(ヴォセシュ)
このひとつ前のブログで書いた通り、ポルトガル語では、
二人称の親称は"tu"、そしてその複数形が "vós"、
そして、二人称の敬称は本来「彼・彼女」の意味を表す三人称の"ele(s)","ela(s)"及び"senhor(es)","senhora(s)"です。
が、この敬称、はっきり言って今時かなり堅苦しい表現です。
話している相手が明らかに自分よりもずっと年上、又は公式の場でもない限り、若い世代でこの敬称で話す人は僕の周りにはあまりいません。
ある一定以上の世代の人たちは普通にこれらの敬称を使って会話をしているけれど正直、僕が聞いても会話が重いです。
☆★そこで登場するのがこの人称代名詞"você"★☆
立ち位置としては、"tu"ほど馴れ馴れしくなく、"ele"や"senhor"ほど堅苦しくない、といったところでしょうか。
なのでオールマイティに誰が相手でも使えます。
しかもこれを使えば、とりあえず動詞の二人称の活用を覚えなくても大丈夫。
ある年代よりも上の人たちの中には、この"você"をあまり歓迎しない人たちもいるようです。
一つは、言葉の使い方が変わる=正しいポルトガル語が崩れる、という心理。
それから、この"você"がポルトガルにブラジル人が増えてきた事と併せて使われる頻度が高まったこととも関係しているようで、ブラジル人人口が増えることにあまりいい顔をしていないポルトガル人がいることも事実。
そして、そのブラジル人が多用する"você"に拒否反応を示す心理が働いているようで…
しかし、言葉とは常に変化するもの。
ここでは外国人である僕は臆せず"você"を使ってます。
"tu"も昔に比べると頻繁に使われるようになったそうです。